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特別編------------------------
特別編 第一回(2013/12/18)
古くて新しい言葉「イノベーション」
そして、政府ITイノベーション元年?
「イノベーション」という用語を、雑誌やWebでみることが多くなったような気がする。
時代の閉塞感がそうさせるのか、イノベーションが盛んに使われる。
イノベーションは古いものを破壊して新しいものを創造するものとして「革新」「新機軸」と訳される。
語源は、経済学者のヨーゼフ・シュンペーターによって、著書『経済発展の理論』(1912年)において、
「経済成長にイノベーションが欠かせない」ことを世界で最初に記述したことによるとされている。
初めて「イノベーション」が使われてから100年以上を経過したことになる。
第二次安倍内閣となり、政府においても、国家の新たなIT戦略の指針となる「世界最先端IT国家
創造宣言」(平成25年6月14日)が閣議決定された。
このなかで、経済再生や社会的課題解決にも大きく貢献するものとして「情報通信技術(IT)
は、あらゆる領域に活用される万能ツールとして、イノベーションを誘発する力を有しており・・・」
と書かれており、IT戦略が国家の成長戦略の柱となっている。
「世界最先端IT国家創造宣言」は、
Ⅰ.基本理念
Ⅱ. 目指すべき社会・姿
Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取組
Ⅳ. 利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化
Ⅴ. 戦略の推進体制・推進方策
の5つの項目から構成されている。
基本理念の中では、
1.閉塞を打破し、再生する日本へ
2.世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて
とし、IT戦略を成長戦略の柱に据え、「ヒト」、「モノ」、「カネ」と並んで「情報資源」が新たな
経営資源となるものであり、「情報資源」の活用こそが経済成長をもたらす鍵となり、課題解決
にもつながるとしている。
IT戦略では
1.革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現
IT・データの利活用により、新たな付加価値を創造するサービスや革新的な新産業・
サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現。
2.健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会
全ての国民が健康で安心・安全に暮らせるユニバーサルな新たな社会システムを構築し、
経済性・利便性の高い新しいサービスを創出することにより、健康で安心して快適に
生活できる、世界一安全で災害に強い社会を実現する。
3.公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現
全ての行政サービスが電子的に受けられることを原則とし、クラウドの徹底活用により、
電子行政サービスが、ワンストップで誰でもどこでもいつでもどんな端末でも受けられる
「便利なくらし」社会を実現する。
との、3本柱の戦略としている。
さらに、この戦略を支えるものとして「利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化」や
「戦略の推進体制・推進方策」が挙がっている。
これまでの政府IT戦略と異なるのは、戦略中に“KPI”(Key Performance Indicators、重要業績
評価指標)を明記していることだ。個々の戦略に対して評価指標が設けられたのでどれだけ成功し
たか、失敗しているのか成果が分かりやすくなっている。また、工程表も発表されていて、短期
(~2015年)、中期(~2018年)、長期(~2021年)で何を成すか発表されている。
実施体制でもIT担当大臣が任命され、政府CIOも内閣法が改正され「内閣情報通信政策監」として
正式な官職となった。これまで府省庁別で実施されてきたIT推進もこれからは、国全体で政府CIO
を司令塔としてIT推進に力を入れていこうとしている。これまでと「力の入り具合が違う」と感じる。
2001 年に、IT戦略本部を設置し、「e-Japan 戦略」の策定を行い、5年以内に世界最先端
のIT国家になることを目標としたが、むしろ他の国に追い越された感がある。
2度目の今度こそは、世界最先端国家となるべくイノベーションを起こし経済が再生し豊かで安全な
暮らしをしたいものだ。そして、小さな力であっても、私自身がそのイノベーションに加わりたいと思う。
(2013/11/01)